はじめに
わかる経営管理部では、予備知識がほとんどない初心者が、経営管理部門を独学で立ち上げる方法を解説しています。
このサイトが想定している読者は次のような人です。
- 後継者を育成したいがどうすればよいかわからない創業者
- 社員が10名を超えてそろそろ経営管理部門を立ち上げたいと考えている経営層
- 将来IPOを目指しているので経営管理部門を立て直す必要があるを感じている経営層
- DX化を推進したいが属人化している業務が多く何から始めたらよいかわからない経営層
- 未経験ながら経営管理部門の責任者や担当者になった会社員
- 事業会社の経営管理部門で働いたことがない外部専門家やコンサルタント
以上のような人に向けて、経営管理の実務を専門的な言葉を使わずにわかりやすく紹介しています。
なぜ経営管理部門が必要なのか
こんな言葉をご存知ですか?
「早く行きたいなら一人で行け、遠くへ行きたいならみんなで行け」
一人なら自分の意思だけですぐ動くことができます。しかし、より遠くへ行くためには、自分ひとりの力では限界があります。
つまり、会社をより成長させるには、そして少しでも長く存続させるためには、組織的な会社にバージョンアップする必要があると言えます。
ここで少し話が変わりますが、会社には、上場会社と未上場会社があります。
みなさんご存知の通り、上場会社は、厳しいIPO審査をパスした企業だけがなることができます。
新NISAやiDeCOを始め、年金基金を通じて私たちの年金資産も上場企業に投資されています。海外の投資家も日本の上場企業に投資しています。
それでは、証券取引所はどのような会社を上場させたいと思いますか?あなたはどうでしょうか。自分の大切なお金をどのような会社に投資したいですか?海外の投資家は…?
多くの投資家が上場企業に対して求めているのは次のようなことではないでしょうか。
- 数十年かそれ以上にわたり持続可能であること
- 高い成長性がありその利益を株主に配当として還元し続けることができること
数十年単位で成長し、配当として還元できるくらいの利益を出し続けることが求められているはずです。
それが可能な会社かどうかを審査するのがIPO審査です。
では、IPO審査ではどのような点を厳しくチェックされると思いますか?
それは次のような観点です。
- 高い成長性が見込めるビジネスモデルであること
- コンプライアンスが遵守されていること
- 内部管理体制が高い精度で機能していること
高い成長性とは、今だけではなく、継続的に成長し続ける仕組みがある必要があります。たまたまヒット商品に恵まれただけでは不十分ということです。
カリスマ経営者やスタープレイヤーに依存している組織もNG。組織的に成長できる仕組みがあるかどうかが問われます。
コンプライアンスの遵守は説明するまでもないですよね?基本的な法律は役職員が理解して、遵守している必要があります。ですから、役職員に対して定期的に知識をアップデートする場も求められます。
内部管理体制というのは、組織全体が目的に向って、ルールに則って業務が行われている状態がキープできていること、そしてチェック機能がワークしていることが求められます。目標管理、ルール策定、プロセス管理、相互監視、といった業務を社内で自発的に行えるようになる必要があります。
いかがでしたか?
IPO審査をパスするためには、組織化、DX化、そしてこれらを包括的に推進し管理する経営管理部門の存在が非常に重要であるということがご理解いただけたでしょうか。
経営管理部門を軽視している会社だと判断された場合には、IPO審査にパスすることはできません。
いや、IPOなんてうちには関係ないという人もいるかもしれませんね。
でもすべての会社にこの話は関係していると考えているんです。
先ほどの質問を思い出してください。
上場企業は、数十年単位で成長し、配当として還元できるくらいの利益を出し続けることを求められている。
これは多くの会社が望んでいることではないですか?
持続可能な会社のつくり方をIPO審査が教えてくれているんです。
ですから、このサイトでは、多くの日本企業が持続可能な会社となるために、高い成長性の土台となる内部管理体制とコンプライアンスを遵守できる体制を構築するヒントを、わかりやすくご紹介していきます。